オンリーイベントを主催する(2) オンリーイベントを企画する
どんなオンリーイベントにするか考える
何の『オンリー』イベントにする?
- ジャンル(作品名)
- キャラクター
- カップリング
女性向け同人誌即売会としては以上三つが決めやすい要素になると思います。(特に原作付きの二次創作がメインとなる場合)
今回は、某キャラクターのオンリーイベントになりました(キャラクターの扱いがあればOK。カップリングなどは不問)。開催日をキャラクターの誕生日にしたので、みんなでお祝いするというコンセプトになりました。
誕生日をはじめ、何かイベントごとが作品の中で決まっている場合、そのイベントをテーマにするのも一つのアイデアです。
イベント会場を選ぼう
何を基準に選ぶ?
今回事務作業や準備のフットワークを軽くするため、主催者さんの居住地(大阪)になりました。
(地下鉄御堂筋線の本町駅徒歩2分の会場)
サークル参加者はもとより、一般参加者が参加しやすいように最寄駅から近い会場をまずは検討してみましょう。東京、大阪などのアクセスの拠点になる駅からのルート(乗り換え)も忘れずに確認します。
(レンタル料が比較的安い)区民会館は居住区や勤務先がその区内であれば申請できるそうです。各会館で聞いてみましょう。
会場費は、オンリーイベント開催費用の大きな部分を占めます。よく検討します。
会場の設備は要チェック
オンリーイベントで使う予定があれば、音響設備のチェックや、コスプレイベントのための更衣室や控室があるかどうかもチェックします。
忘れやすいですが、壁も要注意です。掲示物不可の場合があります。(その場合ポスタースタンドなど事前に会場もしくは業者からレンタルしておきます)※壁については規約や使用条件の要綱に書かれていない場合があります。こちらから必ず確認を取りましょう。
会場で開催される他のイベントについて
会場によっては、部屋やホールの一部を借りられる場合もあります(例:ホールの半分だけ借りれる)。部屋の半分だと費用は抑えられますが、その場合、他のイベントでもう半分のホールが埋まってしまうことがあります。そのイベント内容によっては音響が使えなくなるなどの影響もあります。会場側に確認しましょう。
会場の予約について
まだイベントの内容が固まってないし……と予約を先延ばしにしてしまうこともあります。しかし、会場が予約で埋まってしまった場合、日時や会場を変更せざるを得ない状況になります。会場予約は基本的に先着順です。
希望日が決まったら、まず会場を押さえておくのもよいでしょう。会場側にも「○か月前までならキャンセル料無料」など規約がありますので、よく確認します。今回のシキボウホールさんは「1年前から予約OK。2か月前までならキャンセル料無料」だったため、開催日の1年前に予約を取っています。
ちなみに同人誌即売会という言葉もわりと認知されているようです。(同人誌が通じない、先方がよく知らない場合は)自主出版の即売会やファン同士の交歓会という説明でよいかと思います。
募集スペース数について
いずれ参加サークルを募ることになりますが、何スペース程度募集すればよいでしょうか。
会場のウェブサイトなどでは、部屋の大きさは必ず記載されています。その情報から一般的な机の大きさ(1.8m×0.45m)を使って机が入る数を割りだしましょう。
実際にイラストレーターを使って配置のシミュレーションを簡易的に行ってみました。
※ただし机や椅子の大きさは仕様はこの限りではありません。(たとえば椅子が折り畳みではなかったり、1スペース幅に2脚並ばなかったりします)会場管理者ににあらかじめ問い合わせておきます。
私が作ったこの例では通路幅など適当なので、詰めればもっと入りそうですね。ここから50スペースくらいなら余裕で入りそう、ということがわかります。また拡大した時、どれくらいまでなら大丈夫なのかもシミュレーションできます。(今回のイベントでは、実際に50スペース→73スペースまで拡大しました)
オンリーイベントで開催するゲーム・イベントを考えよう
今回は、同人誌即売会の他、コスプレイベント、キャラクターをモチーフにしたグッズ頒布、くじ引きやじゃんけんゲームを実施しました。
グッズは、今回マグカップ、のれん・くじ用缶バッチなどを中心に制作しました。
外注するのも便利ですが、自作するのも楽しいです。自作すると費用を抑えられるという一面もありますが、イベントを作ってる!という充実感があります。もちろん時間はかかりますので、スケジュールをよく検討しましょう。
できれば、他のオンリーイベントに参加してどんなゲームやイベントが行われてるのか体験してみるととても参考になります。自分が一般の参加者だったら、どんなイベントやグッズが盛り上がるかがよくわかります。
私の経験ですが、毎回ポスターなどが景品のじゃんけん大会はものすごーく白熱します。
コスプレイベントについて
コスプレイベントは、イベントがとても華やかになる企画です。
コスプレイベントを実施するには、イベントの規約を参加者をはじめ、スタッフにも十分理解してもらうことが重要です。
これは、当日の混乱や怪我、写真の無断掲載や撮影などのトラブルを事前に防ぐために必要です。
【今回のコスプレ企画で実際に行ったこと】
- コスプレ参加者には事前登録と、撮影者にも当日登録をしてもらい、登録証(下図)を掲示してもらう
- 男女のコスプレ参加者がいたので男女別の更衣室用の小会議室をレンタル
- 会場内の本部で、コスプレ参加者の荷物を預かる
- サークル参加する場合は、更衣を済ませてからサークル入場列に並んでもらった
- 更衣室に椅子、テーブル、ゴミ箱を設置
- スタンドミラー(姿見)をレンタル
- 撮影場所は一部屋に限定
- コスプレのまま、他の階や屋外に出ることを禁止(その他の禁止事項はパンフレットに記載)
- 無断撮影のないよう、スタッフが見回り
上記とも重複がありますが、特にコスプレイベントの際に注意することを列挙しておきます。
- 無断撮影の注意の徹底(スタッフなどが巡回・注意)
- 会場(部屋)が分かれている場所では撮影NG(あるいは可能)の場所ははっきりと掲示する
- 防犯(盗撮防止)のためにもドアがついた部屋を借りる
(部屋を分割するなら高さ2メートルのパーティションが必要) - 多数のコスプレ参加者がいることが事前に分かっている場合は、ゴミの処理を会場側と相談する(ゴミの持ち帰りの協力をコスプレ参加者にお願いするのもアリです)
実際にコスプレ参加された方のご意見では「スタッフの見回りが多いと安心」「もし違反事項があった時、(コスプレイヤー同士で注意するとトラブルの原因になったりするので)主催側から注意してもらいたい」ということでした。
その他、コスプレイヤーさんからご意見や希望などお聞きしました。ご自分で用意されることが多いですが、忘れたときなど会場にあると嬉しいそうです。
もし会場側や主催側で簡単に用意できるものがあれば、検討してみてもよいでしょう。
- ヘアピン・ティッシュ・使い捨てのメイク落とし・ヘアゴムなど
- 卓上ミラー(100均で売っているようなもので十分とのこと)
- ゴミ箱(ゴミ袋などでも可)の設置
- 更衣室にブルーシートを敷く(冬場の寒さ対策)
宣伝、告知方法を検討しよう
オンリーイベントを開催することにしたら、宣伝と告知をする場所が必要です。
制作の時間が比較的短く、費用が抑えられそうな販促物は次の3つが挙げられるかと思います。
(もちろんサイト、印刷物は仕様と枚数に左右されます)
-
告知サイト
総合的な案内(日時、場所、サークル申込み要綱)を行います。申し込み用紙を郵送で受け付けない場合は、申込み用紙のデータやサークルカットをダウンロードできるようにします。サーバーやドメインの取得は早めに行っておきます。ウェブ制作が苦手、もしくは時間がない場合は、テンプレートを活用するなどしましょう。変更事項があった場合は速やかに更新します。※日時・会場をはじめ、企画の情報はサイトに掲載する前にじっくり吟味しましょう。公開してしまってからの変更は、一般参加者をはじめスタッフの信用とモチベーションを著しく損ないます。
やむを得ない変更の場合は、その理由と経緯を簡潔に掲載することが必要です。 - Twitter
随時更新される案内(スペースの埋まり具合、グッズ用のイラストの募集などの告知)を行います。プライベート(個人)のアカウントではなく、オンリーイベント専用にアカウントを登録しておきましょう。リプなどが紛れず管理が楽です。背景やアイコンを作成しておきます。
リプライやダイレクトメッセージは可能な限り迅速に返事をします(それがツイッターの利点なので)。仕事などでどうしても返事ができない時間帯があるのなら、あらかじめその旨を記載しておきます。 -
チラシ(パンフレット)
オンリーイベントの概要を告知します。オールジャンル・オンリーイベントのチラシ置き場に置かせてもらったり、オンリーイベントの賛同サークルさんに協力してもらって配布をお願いします。配布協力はツイッターなどで広く募集してもよいでしょう。
今回のイベントでは、チラシ合計3000枚を配布しました。
ジャンルオンリーイベント、コミックシティ、冬コミで配布(サークルへの配布協力、机上配布)を行っています。
もし予算があるのなら、広告を他のイベントのパンフレットに掲載するという方法もあります。(赤ブーブー社のパンフレット広告)
スタッフをどうやって募集する?
今回のイベントでは、主催者さんのサイトで案内はありましたが、ツイッター等で広く募集は行いませんでした。主催者さんの友人・知人でスタッフをやりたいという希望があり、当日スタッフは計8名となりました。
イベントの規模にもよりますが、当日の本部担当、イベント・ゲーム担当、会場の見回り(列整理)担当、案内係など、スムーズにイベントを開催するには、多少の人数は必要です。Twitterなどで広く募集してもよいですが、一緒にイベントを作っていくスタンスと責任感を共有できる方がよいでしょう。
主催とスタッフの連絡方法
今回は、手伝ってくれるスタッフがほぼ確定したあたりでサイボウズ(無料グループウェア サイボウズLive)に登録し、なるべく主催側の持っている情報を周知してもらうように進めました。時には企画等のアイデアを出し合い、参考にしました。サイボウズは、スレッド形式で会話でき、議題ごとにまとめられます。更新があるとサイボウズからメールで連絡してくれるので便利です。
実際に会って話をすることも重要ですが、主催さんとスタッフさんにも実際の生活があり、生活時間帯も居住地もバラバラです。なかなかそろわないことも多いでしょう。
なので、いつでも確認できたり、過去のやり取りにさかのぼってメッセージを見られるネット上のコミュニケーションツールは助かりました。
サイボウズ以外では、改めてスタッフミーティングは行いませんでした。他のイベントのアフターなどで作りたいものや計画などを話し合ったりしました。