書籍紹介『最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと』

2020年1月13日 / 小説の同人誌を作る, 漫画の同人誌を作る, 講座と参考資料


どんな作品にも脚本(ストーリー)が必要

今回は、フィルムアート社さんから献本いただいた脚本術についての書籍紹介です。

このサイトに来る方は、普段の創作が漫画や小説なのに脚本なんて関係あるの?と思われるかもしれません。脚本が関係するのはドラマや映画などを連想される方も多いでしょう。

例えば映画を見ていても映像が素晴らしくてもストーリーがつまらないと退屈になってしまったり、時にはやめてしまったことはありませんか。

映画だけでなく作品の中に物語がある限り、やはり読者をひきつけるテクニックやストーリーの創作は必要です。
もちろんストーリー作りの技術や知識の向上も必要ですが、考え方のコツや創作する上でのポイントをいくつか押さえるだけでも、今の作品がぐっと良くなるかもしれません。
この本では、過去の名作と呼ばれる映画作品を題材に、脚本術を解説していきます。
小説や漫画でも応用できそうなパートをいくつかご紹介します。

『最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと』

シド・フィールド=著 安藤紘平+小林美也子+加藤正人=訳

著者紹介

シド・フィールド(SYD FIELD)

国際的評価を得る脚本家。ジャン・ルノワール、サム・ペキンパーらに師事。プロデューサー、教師、ベストセラー作家。『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術』(原題:SCREENPLAY)は22ヵ国語に翻訳され、全米 400以上の学校でテキストとして使用。彼の関係した映画は『ゴッドファーザー』『アリスの恋』『アメリカン・グラフィティ』など。門下生には、ジェームズ・キャメロン、テッド・タリー、キュアロン兄弟など、ハリウッドを代表する錚々たる映画人が名を連ねる。20世紀フォックス、ディズニー・スタジオ、ユニヴァーサル・ピクチャーズ、トリスター・ピクチャーズほかの脚本コンサルタントを歴任。全米脚本家協会で初の名誉の殿堂入りを果たした。2013年死去。

第1章:何かがおかしい……

プロット(コマ割り)や下書きをしてみたけど、何かしっくりこない…、そう思うことはありませんか。
他人に見てもらえればいいけど締切が迫っていて時間もない。
もやもやしたまま作業をしていても納得できなくて途中で投げ出してしまうかもしれません。
もちろん書き直すことが必要なのですが、そもそも原因が何かわからないと書き直すこともできない。
そんな時、どんなふうに問題解決したらよいかを本の中で紹介しています(第2章『それで、何が問題なのか?』)
まずは頭の中をリセットします。その時まで考えてきたもやもやの理由や原因を一度捨てます。
できたら、紙を一枚自分の目の前に置いて、「何が問題と思うか」を自分に質問してみましょう。
  • 『なぜ』もやもやするのか、を考えると回答が増えすぎる(=18通りの答えを得てしまう)。
  • 『何が』もやもやするのか、を考えると問題解決モードの道を歩む創造的なプロセスが始まる。
脚本の問題については『プロット』『キャラクター』『構成』に何らかの関係があるとしています。

第3章:問題の場所を特定する

問題が何にあるかわかったら、脚本全体の見取り図(パラダイム)から問題の箇所を特定しましょう。
そのためには全体の見取り図が必要です。
例えば、「第一幕」「第二幕」「第三幕」等で区切ってみましょう。
また書き出しがうまく行かない、魅力的なものにならない場合は、第一幕の設定を見直してみましょう。
ここでは、(脚本の)最初の10ページで確立することは下記3点だと紹介しています。

  • 主人公(誰の物語か)
  • ドラマ上の前提(何の話か)
  • ドラマ上の設定(どんな環境がアクションを取り巻くのか)

書き出しの中に3つが明確に書けているかを確認するだけでも、読者はずっと物語に入りやすくなります。

また、この章では映画『ショーシャンクの空に』を題材に、第一幕(状況設定)、第二幕(葛藤)、第三幕(解決)の解説を行っています。

第9章:説明の必要性と手段の選択

創作の舞台が現代でも、SFや異世界でも背景やキャラクターを説明する必要があります。二次創作でもパロディあれば説明する必要があるかもしれません。
その場合、どのように説明するのがスムーズに読者を物語に引き込めるのでしょうか。
ここでは、『自らの台詞で説明してしまう罠』を紹介しています。例の脚本では主人公が自分の行動や人生、状況を説明していました。一見、わかりやすい(受け止められやすい)ように思いますが、物語が前進する流れを止めている(そして観客が興味を失う)、としています。
ではどのように説明すればよいのでしょうか。
この章では、映画『ジェラシックパーク』『ブロークン・アロー』を例に「見せる説明」を解説しています。
『ジェラシック・パーク』の冒頭で行われている説明です。

※『ジュラシック・パーク』は太古の恐竜を遺伝子技術の進歩を通じて現在に蘇らせる、スピルバーグ監督のSF作品

私たちは、まだ何が起ころうとしているのか分からないが、鋼鉄の檻の中にいる、本当に大きくて扱いづらい何かが、とてつもなく危険であることを感じさせる。
(中略)
何も説明されてはいない。私たちができることは、野菜サラダのレタスの切れ端みたいに、技術スタッフの一人が、何かに引っ張られ、投げ捨てられるのを見るだけだ。しかし、私たちは夢中だ。
『ジュラシック・パーク』『ブロークン・アロー』の”見せる説明” より

上記のように(全てを説明しないことで)主人公と読み手や観客が何が起こったのか把握しようとする相互の努力によって結びついている、としています。

まとめ

内容の一部を紹介しましたが、他に『回想ポイント』や『アクション・シークエンス』などの例や書き方なども紹介しています。

教科書的に基本を学ぶこともできるのですが、過去の作品(主に映画)の例や解説を通して実践的な知識を得ることができそうです。
脚本全体を俯瞰的に見ると同時に、細かいパートについても解説があり、ストーリーを考えるにはとても良い本ではないかと思います。
冒頭にも書きましたが、映画の脚本だけでなく、漫画や小説にも活用できそうですね。ストーリーの基礎を学ぶときや、迷ったり悩んだりした時にも役に立ちそうです!

書籍情報

『最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと』

シド・フィールド=著 安藤紘平+小林美也子+加藤正人=訳

定価:2,500円+税、368ページ

2019年11月26日(火) 発行・発売:株式会社フィルムアート社

商品ページ:

http://filmart.co.jp/books/movie/playbook_tech/syd_field_3/

 

☆本書の有効活用術を指南した「訳者まえがき」および、著者による「イントロダクション」を公開中です

http://www.kaminotane.com/2019/11/15/7710/


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