色の基礎知識
いい感じの配色にしたいんだけど、うまくいかない、また同じような配色や色の作品ができてしまった……そんな経験はありませんか。
配色についてはルールがあり、激しくハズさなければうまくいきます。
またマンネリを感じている方には新しい配色バリエーションを取り入れることによって脱出することができます。
また色には、イメージさせる言葉があります。それをヒントにイメージを創作してみるのもいいと思います。
配色は、色の基礎知識が理解できていれば、グンとわかりやすくなります。今回はその色の基礎知識についてまとめます。
色はなぜ『色』として見えるのか?
そもそも、色はなぜ『色』として見分けることができるのでしょうか。
真っ暗な部屋や、薄明りくらいしかない状態では、ものの形はぼんやりわかっていても色まではわかりません。色を感じるためには、『光』が欠かせません。
私たちが、普段見ているものの色は、物体が光の一部を吸収し残りを反射した『反射光』なのです。
たとえばリンゴに光が当たると、青や緑などの光(短~中波長)を吸収し、赤色(長波長)を反射します。
この長波長(赤)が多く目に届くため、リンゴが赤いと感じるのです(下図参照)。
色の基礎知識
- 色相
色相は赤、黄、緑、青、紫といった色の違い。
- 色相環
色相の総体を順序立てて円環にして並べたものを色相環(しきそうかん)と言う。色相環上では、補色を反対の位置に設ける。(赤←→緑)(黄←→紫)
現代ではマンセル表色系などのように、赤から始まるものが多い。 - 彩度彩度は色の鮮やかさを意味する。たとえば、絵の具に例えるなら白と黒が全く混合しないものが最も彩度が高い。
- 明度
明度は色の明るさを意味する。白が最も明度が高く、黒が最も低い。
色相・明度・彩度から色を選ぶには?
色相、明度、彩度なんてRGBじゃ見たことない……という方は、カラーを「HSB」に変更してみましょう。
このカラーモードを使うと、たとえば彩度と明度を変えずに色相だけを赤から青に変更できます。
- H(Hue)……色相(角度で表現します。0°=赤になります)
- S(Saturation)……彩度
- B(Brightness)……明度※V(Value)と表現されている場合もあります
- HSB(HSV)の色空間
色に対する一般的なイメージ
【赤を連想する言葉】
血、生命、火、力、愛、女、情熱、勇気、攻撃、など
精神や物事の盛り上がりを示すイメージに利用されます。また人の目をひくことから、安売りやセールなどの購買意欲を高めるときなどにもよく使われます。危険への注意などに赤が使われることがあります。また、心拍数を上げ、食欲を増進させる働きもあります。
ネガティブなイメージは衝動や、暴力、怒りなどを表現します。
【橙を連想する言葉】
温暖、快活、陽気、幸福、誇り、野心、忍耐など
赤よりも穏やかな、親しみやすい快活さをイメージする色です。また、健康的でにぎやかな雰囲気もあります。暖かさを感じさせる色です。
【黄を連想する言葉】
太陽、穀類、金、注意、活発、明快、乾燥、王位など
気分が明るくなるような明快さがあります。穀物が実ると黄色くなることから、「豊穣」「金」などを表すこともあります。また、黒字に黄色文字は非常にめだつことから、警告看板などに使用されます(踏切など)。
【緑を連想する言葉】
植物、自然、安全、健康、平和、新鮮、エコロジーなど
リラックス効果や、安心感のイメージです。山や森などの自然のものを想像しやすいため、ナチュラルなイメージにもなります。白と組み合わせると薄暗い環境でも識別されやすいことから、非常口の看板に使われています。
【青を連想する言葉】
水、月、冷静、知性、未来、憂鬱、寒冷、男など
癒しや水辺のイメージです。さわやかなイメージの反面、冷淡なイメージにもなります。
落ち着いた印象をあたえることから、信頼や常識をイメージさせます。また食欲を減退させる心理効果もあります。
【紫を連想する言葉】
王位、高貴、正義、優雅、神秘、節制など
高貴とカリスマ性をイメージします。律令時代の日本などでは、主に皇族やそれに連なる者にしか使用できませんでした。海外では高位の司祭が身に着ける色です。紫色はパープル(赤紫)とバイオレット(青紫)の2種類あります。
【白を連想する言葉】
善、雪、無、真理、清潔、純粋、無罪、無知、賛成など
シンプルで、清潔感のある印象を与えます。ピュアなイメージもあります。天使や花嫁の衣装イメージです。
【灰を連想する言葉】
中立、不潔、陰鬱、不変、沈静など
どのような色にも合うため、中立のイメージがあります。陰鬱や寂しいイメージにもなります。
【黒を連想する言葉】
夜、悪、死、武勇、汚濁、有罪、炭、富裕層など
死や悪のイメージの他、フォーマルや高級のイメージもあります。また何色にも染まらないことから裁判官の法服の色に採用されています。
※言葉のイメージはwikipediaの「色」のページを参考にしています。
まとめ
今回色の基礎編をまとめてみました。
色の見え方については物体色なのか、モニタの色なのか、他環境で変わってきます。
特にモニタは自分で発光しているので色の表現方法が異なります。
モニターと出力した印刷物の色が違うよ~ってよくあるトラブルなのですが、
どんなにいい機材を使っても完全に一致させることはできません。
カラーマネジメントやキャリブレーションによってある程度近づけることは可能です。
・なぜ必要?モニターのキャリブレーション | EIZO株式会社
・miyahan.com | 液晶ディスプレイとカラーマネージメント
調整には専門知識と機材(キャリブレーター)が必要なので気軽にはできないですが、一応めんどくさいことをしないと色合わせできないんだな~ぐらいに思っておいてもらうといいかもしれません。
話が飛びましたが、色の見え方や目の仕組みについては学んでおいて損はないです。
色彩検定のテキストは基礎がよくまとまっています。
A・F・T色彩検定公式テキスト3級編
配色については次回まとめますので、少々お待ちください~!