【初心者さんにオススメ】初めての同人誌印刷と部数決め

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初めての同人誌印刷と部数決め

今年こそ、同人誌をつくりたい、もしくは今まではスケジュールが合わなかったけれどイベントデビューしてみたい、そんな方も多いのでは?
同人活動は、手軽に作れるコピー本や、バッグやキーホルダーなどのグッズ、好きなジャンルだけが集まるオンリーイベント、コスプレなど、活動の種類も幅も色々。
自分のペースや環境に合わせて選んでみてください。
今回は、イベントでよく見かける同人誌の作り方や部数について解説します。
※部数について知りたい方はこちら

同人誌の印刷の種類

  • コピー印刷
  • 自宅印刷
  • オンデマンド印刷
  • オフセット印刷

コピー印刷(お店に行って印刷)


コンビニや、キンコーズなどの出力センターのコピー機を使って印刷します。
自宅で印刷データを作成して、インターネットや外部メディア(USB・CDなど)で持ち込みます。
出力センターでは、店員さんが常駐されてる場合もありますのでわからないことや不安なことを聞くこともできます。
お店によってはPCで編集・修正作業を行うこともできます(可能かどうかは店舗までお問い合わせください)
印刷の質はコピー機の種類・性能に依存しますが、おおむねレーザープリンターでの印刷になります。インクが紙(コピー用紙)に乗るとテカりますが写真等も綺麗に出力できることが多いです。持ち込みの紙に印刷できるかどうかは事前に要相談で。
また、お店によっては大判プリンターがある場合もありますので、ポスターやポップなどの印刷も可能です。
料金は基本的に印刷1枚(片面・両面)×枚数になります。
とりあえず手軽に本を作りたい、20ページ前後×20部前後のサークルさんにオススメの印刷方法です。
ただし、大型イベントの直前(当日)はイベント会場近郊の出力センターやコンビニは込み合うので気を付けて!

自宅印刷


自宅で、市販のプリンターを使って印刷する方法です。
最大のメリットは、思い立ったらいつでも自宅で本が作れる、ということに尽きます。
自己責任の範疇ですが色んな紙を試せるのも楽しみの一つ。
家庭用プリンターの種類はインクジェットプリンター、レーザープリンターなど。A4サイズの印刷ができるものが主流です。
それ以上のサイズを印刷するプリンターもありますがイイお値段がついています。
インクジェットプリンターはインクカートリッジや本体の値段はレーザープリンターに比べると安いです。
ただ、しばらく使わないとインクが詰まったりするので注意。インクは水に溶けやすく、野外のイベントや掲示物には不向きです。あとベタ面が多い漫画・表紙だと紙がインクでヘナヘナになりやすいです。
レーザープリンターは、コピー印刷の項目に記載済みですが、本体の値段とカートリッジが高いのでお財布と相談になります。
最近の家庭用プリンターの品質も向上しているのでどちらもかなり印刷も綺麗です。
自宅で出力するための記事もありますのでチェックしてみてください。

オフセット印刷

ここから印刷所にデータを渡して印刷・製本・納品という流れになります。もちろん、印刷所(会社)とのやり取りになりますので、初めは戸惑うことがあるかもしれません。
お金のやり取りも発生します。何かわからないことがあったらすぐに印刷所と相談しましょう。
そもそも印刷とは、『版』を作って紙に色を刷ることです。例えばイモ判や、消しゴムハンコなどを思い浮かべてもらえれば良いかと思います。
何色も必要になると、色の数だけ『版』が必要です。フルカラーだとM(赤)C(青)Y(黄色)K(黒)の4つの『版』が必要です。※後述
オフセット印刷では、それらの版を作(製版)って、一色ずつ印刷します。
製版にもお金がかかりますが、その分、印刷は綺麗です。写真集や、駅で見かけるポスターなど、色調などにこだわりのあるプロが使う印刷です。
大量(数千部~)なら綺麗でかつ、比較的単価が安く抑えられることが特徴です。少部数だと、単価が割高になります。
価格については各印刷所に問い合わせてみてください。

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷はオフセット印刷に比べ、比較的新しい技術です。
最大の特徴は、少部数でも価格が安く、部数も細かく設定できます。
こちらも印刷所にデータを渡しますが、オフセット印刷と違うのは製版がないこと。
版を作らずに印刷をしますので、おおざっぱに言うと、高品質のレーザープリンターで出力してくれると思ってもらえれば良いかと思います。
こちらは一冊単位で印刷から製本まで行ってもらえる印刷所もありますので、相談してみてください。
また箔押しやUV(表面に薄く凹凸を作る)印刷など特殊印刷もあります。
また、気になる印刷の質ですが、綺麗に仕上げてくれる印刷所は多いです。
(私見というか素人目ですが、あまり印刷品質について気になったことはありません)

グッズなどを作ってみたい

グッズも制作できるキット通販・お店で買えます。インクジェットプリンター用のキットは家電量販店のプリントコーナーにおいてたりします。
自宅のインクジェットで印刷して、Tシャツに転写するキットもあります。
プチオンリーのスタッフさんにスタッフTシャツとして着てもらうのもいいかも。

色について

CMYKとRGB

印刷所から「CMYK(印刷用)データでお願いします」と言われて「???」となってしまったことありませんか。

ここでは「CMYK」と「RGB」の違いについて説明します。

CMYKはシアン(青)・マゼンダ(赤紫)・イエロー(黄)・ブラック(黒)RGBはレッド(赤)、グリーン(緑)、ブルー(青)がそれぞれ原色になります。
CMYは全て合わせると理論上は黒になりますが、綺麗に発色させるために、黒はブラックというインクを使います。
また、特色と呼ばれるインクもあり、CMYKで表現しづらい色(蛍光色、金・銀など)も印刷できます。
特色を扱えるかどうかは印刷所によって異なります。こちらも扱いがあるかどうか問い合わせてみましょう。

RGBは全て合わせると白になります。
それぞれ、CMYKはインク(印刷)で表現できる色、RGBは光で表現できる色となります。
つまり、(インクで)印刷するには、インクで表現できる色にしなければなりません。
※ただし、家庭用インクジェットプリンターはプリンター側で印刷用の処理(CMYK変換)を行いますのでRGBのまま出力で綺麗にプリントできます。
RGBはあくまでモニターやテレビで表現できる色です。

それぞれ表現できる色の領域が違います。特にRGBが得意(?)とする緑の領域はCMYKでは狭いですね。
RGBをむりやりCMYKに変換(強制的にグラフの領域に収める)すると色のイメージが変わってしまいます。
くすんだ色になってしまったりする場合があります。
この場合、変換されて捨てられてしまった色の領域は復帰できないため、作業中はRGBで保存しておくことをおすすめします。
またRGBをCMYKに違和感なく調整していくのは非常に難しいです。
グラフィックソフトで時間をかけて調節していくか、印刷をお願いする印刷会社に相談してみましょう。

データについて

フルカラーとグレースケール

フルカラー(印刷用)は(CMYK)が使えます。その場合『版』がそれぞれの色で一枚ずつある状態です。(合計4つの版がある状態)

グレースケールはKの『版』が一つだけ。濃淡でグレーを表現しています。

二諧調(白黒)もKの『版』が一つだけですが、濃淡がありません。白と黒のみで表現しています。

一見、グレースケールと、モノクロ2階調が同じに見えます。しかし、アップにしてみると表現手法は違います。

印刷所で印刷してみたい

何をすればいいの?

今回初めて印刷会社にお願いする場合、印刷会社を選ぶところから始めてみましょう。

例えば、好きな作家さんが使っている印刷会社を使ってみてもよし(同人誌の最後のページ付近に印刷会社の名前が記載されています:上図)、インターネットの評判から調べてもよし、フェアが充実しているところを選んでもよし、特にルールはありません。
印刷会社でも、オンデマンドの小部数が安いとか、グッズを作るのが得意やだったり、割引や割り増し入稿対応可能などそれぞれのサービスに特徴があります。
また、会社の規模やサービスによって、締め切りが大きく異なる場合がありますので確認しましょう。
その後のスケジュールの考え方については、下記記事も参考になると思います。

原稿を作るには

現在パソコンで制作することが主流になっていますが、もちろんアナログでも可能です。
(その場合アナログ対応している印刷会社を選びましょう。また原稿を郵便などで送る手配にかかる日数も忘れずにスケジューリングしましょう)
アナログの場合、実際に絵を描く道具が必要になります。大きめの文房具店や、アニメイトなどにも揃っています(もちろん通販で買ってもOK)。品ぞろえはウェブで確認するか直接問い合わせてみてください。

▲商品紹介より
初めてマンガを描く人の為の練習キット。
デリーターカタログ/コピー本の作り方小冊子/練習用線画原稿×4/練習用線画原稿サンプル/Jrスクリーン×5/トーンヘラ/ネオピコライン3 0.05/漫画原稿用紙A4メモリ付×6/ネオピコ2 ブラック/トーンナイフ/マンガテクニックvol.5

パソコンで制作したい場合は、コミック制作用のソフトがあるとスムーズに進められます。
また入稿する印刷所からデータ制作用のテンプレートを配布している場合もありますので確認しましょう。
イラスト・漫画制作向けソフト

    • COMICSTUDIOPRO 4.0
    • CLIP STUDIO PAINT PRO
    • MediBangPaint Pro(メディバンペイント)無料ツール

グラフィックソフト

入稿データってどんなデータ?

基本的に表紙などのフルカラー原稿はCMYK、本文はグレースケールもしくは二階調です。
入稿データの作成方法も印刷会社のウェブページに詳しく掲載されています。
また、上でも書きましたが、印刷所がそれぞれ原稿作成用のテンプレートを配布している場合もあります。
テンプレートがある場合はぜひ活用しましょう。そして一度は入稿要綱(入稿の決まり)に目を通しておくと、入稿作業がスムーズに進みます。
また、締め切り前後は印刷所もデータのやり取りで非常に込み合います。
(とても難しいですが)『よゆう入稿』をオススメします!
時間の余裕があれば、もし原稿の不備があったときも落ち着いて修正できます。

同人誌の部数ってどう決める?

そして気になるのは何を基本にして部数を決めればいいのかということです。これは長年イベントに参加していても結構難しいです。また、参加ジャンルによっても変わってくるのではないでしょうか。(そのジャンルがお目当ての一般参加者の人数も変わります)
さて部数のイメージですが、時間単位でどれくらいの同人誌が売れるイメージか考える方法が一つと、PIXIVなどの評価数を参考にする方法が主流のようです。

時間単位のイメージ

コミケの開催時間を参考にすると10時~16時です。この中で一般参加者の動きがあるのがだいたい4時間程度と考えます(午前中の早いうちと、15時以降はほとんど動きがありません)。
その中でどれくらいの時間で一冊売れるか考えてみましょう。

  • 5分の場合(1時間で12冊)
    1時間で12冊×4時間=48冊
  • 10分の場合(1時間で6冊)
    1時間で6冊×4時間=24冊

あくまで経験則ですが、初めての参加で5分に一冊はかなりのハイペースな気がします。

PIXIVの評価数

本文や表紙サンプルをUPして様子を見ると、その本が欲しい!という人から評価される場合があります。
もちろん、本が欲しいというだけでなく作品が面白そうなどの理由で評価をつけている場合もありますのであくまで予想の範囲です。

  • 評価数÷10

こちらもフォロワー数やジャンルによって変わりますのであくまで参考値です。

印刷の世界へようこそ(あとがきに替えて)

今回は同人誌制作周辺の基礎を紹介しました。同人誌にかかわらず、印刷物の世界や歴史は古く、技術も日々進歩しています。
途中で紹介したオフセット印刷もまだまだ進化していく技術だと思います。
印刷の世界に興味がわけば、ぜひ本を買って読んでみるのもよいのではないでしょうか。
趣味の世界ですから、楽しいと思うことをやってみるのが一番ですね。ぜひぜひ色んな世界をのぞいてみてください。

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