二次創作で小説を書こう!リアリティ編

スポンサーリンク

二次創作で小説を書こう!リアリティ編

小説や漫画などの創作に対して「リアリティがある」や、逆に「リアリティがない」といった批評を見かけることがあります。一般的には「リアリティがある」作品の方が評価される傾向にあります。
「リアリティがある」と言われる作品とはどのように成り立っているのでしょうか。
ここでは小説における「リアリティ」の説明と、作品にとりいれるための方法について説明します。

小説におけるリアリティとは

まず「リアリティ(リアリティー)」とは何でしょうか。
「リアル」と似ているキーワードなので、想像はつきやすいかと思います。

「リアリティー」現実。実在。また、現実性。真実らしさ。(コトバンクより)

そもそも創作になぜリアリティが必要なのでしょうか。

小説や漫画などの創作は、平たく言うと作者の頭の中にある『イメージ(映像だけでなく物語も含む内容)』ということになります。

世の中には色々な創作があふれていますが、適当に表現されただけの投げやりな『イメージ』では私たちの心は動きません。

しかし、優れた創作=『イメージ』を見て私たちは感動することもあります。
感動が生まれるということは、心に感じる『リアル』があった、ともとらえられます。
『イメージ』と『リアル』を結びつけるもの、それがリアリティ(真実らしさ)と考えてもよいのではないでしょうか。
つまり創作の内容をいきいきと読者に伝えるためにはリアリティはとても重要です。
特に小説におけるリアリティとは、まるで目の前にあるかのように読者に想像させる『情報』です。それは二次創作でも同じことが言えるでしょう。原作の理解のためにも舞台やテーマは深堀する必要があります。
『情報』の内容はジャンルやテーマによっても内容は変わってきます。
ではリアリティに結びつく情報をどのように収集すればよいのでしょうか。

リアリティのための情報収集

ここでは、情報収集の方法と、それぞれのメリットとデメリットについて紹介します。

予算や調査に使える時間などから自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。

インターネットで調べる

ウェブサイトを閲覧できるスマートフォンやパソコンを持っているなら最も簡単な方法です。
ブラウザの検索窓に知りたいキーワードを入力するだけです。それだけであれば特に手間も費用もかかりません。
特に見ておきたいのが民間の公式ホームページ・官公庁のホームページです。一般に広く公開されている内容になるので『オフィシャル』な情報と見て良いでしょう。
その他、資格や試験のホームページも参考になる情報が多いです。
特定の資格を持っている人物は、どんな仕事に就くことになるのか、どんな動機で資格を取りたいと考えるのか、同じ資格を持つ人物同士で競争が発生するのか、などなどキャラクター設定の裏付けにもなります。架空の資格を考える時にも参考になりそうです。
このように、インターネットで収集する方法は利便性にすぐれコストのメリットも大きいですが、デメリットもあります。情報の正確性は注意するポイントの一つです。

メリット
●手軽に調べられる
●費用がほとんどかからない
デメリット
●情報がどれくらい正確かわらからない(デマ・誤りがある)
●新旧の情報が混在している場合がある。

取材する・体験する

ネットでは収集できない詳細な情報を欲しくなった場合、取材と体験という方法が考えられます。
まず、「取材」の相手は人だけではありません。舞台となる場所や博物館、美術館などへ行くことも含まれます。実際に触れたりその土地の食べものを食べたりすることで、生き生きとした情報が得られます。
登場人物の気持ちを感じるために、いわゆる『聖地』におもむくファンもいるくらいです。創作の舞台にどっぷり浸かってみる、というのは二次創作のヒントにもなりそうです。
人への取材ももちろん重要です。実際に体験をした人の話を聞くことは創作に大きな手がかりとなります。下にある「体験」とまではいきませんが、疑似体験として考えることもできます。
「取材」の準備や段取りは大変ですが、『生』の声、その場にいた人でしかわからない空気感を知ることができます。
もう一つの「体験」とは、実際に自分自身でやってみることです。つまり現場に飛び込むことを意味します。例えば、「学校に行く」ことも立派な学生体験です。ぼんやり通学していると見逃しがちなことを、意識して見てみると気づくことがあるかもしれません。
また、職業については即座に体験することは難しいですが、例えばアルバイトなどでその職業の一端に関わることができます。内側にもぐりこんでみることで外からではわからないことが理解できることもあります。

メリット
●空気感などテキストでは難しい情報が得られる
●疑似体験ができる
デメリット
●費用がかかる(交通費、入館料など)
●時間がかかる

書籍を参考にする

取材や体験をしてみたくても簡単にできないし、ネットの情報は正確性の担保がなくて困る、という内容も出てきます。特に社会人の立場で創作をする場合、突き当たるのが『時間がない』という問題です。
ここでは効率よく情報を収集し、信憑性も担保できる方法を紹介します。
その一つとしてあげられるのが、参考文献(書籍)を使用する方法です。
書籍は、多くの時間をかけた取材や調査に基づいて作られていますし、第一線で活躍する人の体験談が盛り込まれていることもあります。つまり、私たちが直接費用や時間をかけなくても、密度のある情報が書籍にはまとまっている、ということができます。また、書籍は出版までに何人もの人の目でチェックされているので正確性についてもかなりの部分で信頼できると考えられます。
電子書籍などでも入手できますので、スマホやタブレットに入れて持ち運びできます。重い本を持ち運ばずに済むので、場所を変えて創作する場合は便利ですね。
購入費用はかかりますが、図書館など使ったり、リサイクルされた古本などを利用することで、軽減することは可能です。

メリット
●調査や取材の内容が整理されている
●電子書籍は持ち運びが便利
デメリット
●費用が掛かる
●絶版の場合は手に入れるのが難しい

『職業』の情報収集におすすめの書籍

ここでは、実際に体験することが難しい『職業』に関する情報収集に役立つ資料を紹介します。
今回は『職業設定類語辞典』(フィルムアート社)です。(今回献本いただきました)

項目ごとに簡潔にまとまっていて、その名の通り『辞典』としての検索性もあります。
『職業辞典』ではタイトルの通り職業における特徴や必要な知識が網羅されています。
掲載されている職業の数は120種以上、書籍全体では350ページ超と充実しています。

特に専門職まどよく名前を聞くけどどんな仕事内容かわからない、という職業も掲載されています。パラパラ眺めているだけでも楽しい辞典で、ネタの宝庫かもしれません。

▲「警察官」クリックで拡大

▲「ショコラティエ」クリックで拡大

更に創作に役立つ点としては、その職業についている人物が感じる「葛藤」や「立ち振舞い」などの内容です。これらは人物の内面に踏み込むもので、ネット調査ではなかなかわからない情報です。
ドラマや映画などすでによく知っているはずの職業でもまだまだ掘り下げる余地がありそうです。特に『ステレオタイプを避けるために』というコラムは、ひねりのきいた視点がとても参考になります。(下は「警察官」ページの『ステレオタイプを避けるために』というコラム)

海外寄りの内容もありますが、『職業を知る』という目的であれば十分活用できます。さらに日本と海外との違いを調査してみることで理解も深まるかもしれません。

▶『職業設定類語辞典』アンジェラ・アッカーマン+ベッカ・パグリッシ=著 新田享子=訳

また、同じくフィルムアート社から出版されている『場面設定類語辞典』もおすすめです。
これはあるシーンにおける「見えるもの」「聴こえるもの」「匂い」など五感で感じるものを中心に情報がまとめられています。例えば「火災現場」や「サマーキャンプ」「遺跡」など特殊なシチュエーションのリアリティには欠かせない情報が網羅されています。

最後に、フィルムアート社ホームページでは付録として収録されている創作補助ツールを無料でダウンロードすることができます。こちらも参考にしてみてください。→フィルムアート社ホームページ

タイトルとURLをコピーしました