二次創作(小説)の書き方
今回は中身(小説本文)の作り方についてまとめます。主にネタ出し方法などを紹介します。
小説と書いていますが、ネタ出しやストーリー検討は多分漫画でも活用できると思います。
私はいつもこんな感じで話を作ってます。
二次創作のストーリー分類
はじめに、二次創作のストーリーでは大きく二つに分けられます。
(もちろん例外もあります)
- パロディ
- スピンオフ(※公式でない派生作品はスピンアウトという)
【パロディ(parody)とは…】
現代の慣用においては他の芸術作品を揶揄や風刺、批判する目的を持って模倣した作品、あるいはその手法のことを指す。(Wikipedia)
日本の和歌では、過去の有名な本歌の存在を踏まえた上で新たな歌を詠み上げる本歌取りの技法がある。(同)
【スピンオフ(spinoff)とは…】
作品制作の分野におけるスピンオフとは、既存の作品(本編)から派生した作品全般を指す。(Wikipedia)
大ヒットした映画の脇役などを主人公にすえて製作した映画。続編とは別。(コトバンク)
パロディでは原作の舞台設定を変えストーリーを展開させ(どちらかというと二次創作のパロディは「本歌取り」に近いものが多いのではないかと思う)、スピンオフでは脇役にスポットをあてます。※二次創作は基本的に非公式なので以下スピンアウトと記載します。
二次創作のストーリー作成共通手順
- 原作を読む
- ストーリーとキャラクターを分析する
- 複雑な人間関係やストーリーの場合、相関図や年表を作って情報を整理する。
- 独自の解釈(パロディ、スピンオフ要素)を盛り込む
パロディ・スピンアウトのどちらでも上記の作業を行い、まとめておくとあとが楽です。
パロディとは
パロディは原作のキャラクターの立ち位置を軸に、舞台設定のみを変えて展開します。
- 学校(学園)パロディ
- 会社パロディ
- 家族パロディ
- ホストクラブ、遊郭パロディ
- 異世界パロディ
- 他作品パロディ 等
学校、会社、家族は自分自身の経験から展開しやすいのではないかと思います。また会社に入ったことがなくても、会社を舞台としたドラマや映画はたくさんあります。学校、会社、家族は一般的な集団・組織なので、書き手にとってもそれほどページを割いて説明しなくてもよいというメリットがあります。例えば、放課後の人のいない教室、それだけである程度のイメージが伝わるんじゃないでしょうか。
ホストクラブ、遊郭パロディは華やかな世界、厳格な順位付け、主に異性に対するサービス業というところが好まれるパロディテーマです。金でやり取りされる裏での純愛なども今まで作品化、映像化されているものが多いです。現代と時代物(吉原の最盛期は18世紀)なので、世界観や雰囲気を描くためにも当時の時代背景や少なくとも用語は最低限把握しておくとよいです。Wikipedia等に概要はまとめられています。ホストクラブも載ってますね。
異世界は現代、歴史もの意外の世界にキャラを持って行きます。異世界を全てオリジナルで作成する場合は、設定表などを作っておくとブレがないかと思います。異世界を魅力的に語ることができれば、印象に残る作品になります。
他作品パロディは、例えば同じ作者の別の作品にキャラクターを登場させてみる、などの手法です。同じ作者であれば、読み手も知っていることが多いので展開しやすいです。また、第○部や、章、編で分かれている作品(例:JOJOの奇妙な冒険、Fateシリーズなど)で各章で登場するキャラクターをシャッフルするのも面白いと思います。
スピンアウト
スピンアウトは冒頭にあったとおり基本的には「脇役」を主人公に取り上げることです。普通、主人公視点で語られる物語を違う視点で語ってみる、それがスピンアウト作品の面白さです。原作の中で語られない時間的空白や、行間を描くことができます。
ちなみに「脇役」を取り上げるほか、原作で語られない主人公の姿や過去も想像するのも二次創作の醍醐味だと思います。
- 原作では語られない過去や未来
- 原作で死んでいるキャラクターが生きていたら
- 原作で仕事風景ばかりであれば、仕事を離れている時間(家庭等)や休日。またはその逆。
- 未来、過去へのタイムスリップ
- 性別の入れ替え、年齢操作、精神入れ替え
- 脇役のピックアップ等
原作の舞台設定を軸にして、「時間軸」「視点」を変化させるということです。
スピンアウト創作のヒント
どこからネタを引っ張ってこようか悩むことはあります。ヒントとなりそうなものを列挙します。
一見(一読)してわからなくても、原作を読み込んだり、整理していくうちに出てくることもあります。
(次項の「スピンアウト制作ツール」参照)。
- キャラクターの変化(年齢、見た目や服装、性格(言葉遣い)、立場(入学、進学、昇進)、結婚(出産)など)
- キャラクター同士の関係の変化(ライバル→親友、親友→敵)
- 時間軸の空白期間(作中の時間で語られていない部分)
- 事故、事件 等
スピンアウト創作ツール
原作を整理してみたい、という場合は資料を作ってみるのもよいでしょう。原作をより深く理解する手助けになります。
- キャラクター設定表
- 作品、キャラクター年表
- キャラクター相関図
- 台詞表
余談ですが、作成ツールはオリジナルキャラクターを作る場合にも参考になります。
以上の項目の作成ツールはフリーでも配布されています。
家系図ツールは「写真」や「配偶者」の設定もできてなかなか面白いです。キャラクター関係図を作るのにおすすめ。無料版だと機能制限で印刷ができませんが、データをまとめたり閲覧するだけなら十分使えます。
- キャラクター設定表…名前や年齢から性格までをまとめます。管理人自作のものはこちら
- 家系図ツールズ…家系図の他、年表作成も可
具体的にアイデアをまとめ、ストーリーにするには?
こちらの「1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド」(のまとめ)を参考にしてください。
または、「同人誌製作は小説がおすすめ」にその他小説を書くのに参考になる本をまとめています。
まとめ
二次創作作品で面白いな~と思うのは、その作品の作者の独自の視点とか、解釈が見えたときです。原作のファンであることはもちろん重要なんですが、「この見方があったか!」っていう発見があるとこの同人誌と出会えてよかったな、っていう気持ちになります。同じ原作を読んでるのに全然違う同人誌ができるっていうのもなんだか素敵です。
上であまり書きませんでしたが、私は漫画だと「台詞」が気になる方です。このタイミングでこの台詞をなぜ言わせたんだろうかとか、作者の意図があるような気がしてぐるぐるしていることが多いです。漫画の種類にもよるんですが、表現上絵がメインにならざるをえないのでそこに出てくる「台詞」のウェイトは非常に重いんじゃないかと思ってます。