同人誌で小説を書こう!セリフ編

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同人誌で小説を書こう!セリフ編

小説の書き方基本編地の文編の次はセリフ編です。

戦前の小説ではほとんど地の文で構成されることが多かったそうですが、最近では小説全体のセリフの割合が増える傾向にあります。

つまり、小説を書くにあたってセリフは欠くことができない重要な要素ということですね。

でもセリフを書くのは案外難しかったりします。どんなことを書けばいいのかわからなかったり、出来上がっても何となくしっくりこない、説明的で長くなる、などお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そんな時には、セリフの役割をみなおしたり、良いセリフと悪いセリフの違いを改めて見直すことで、解決するかもしれません。

セリフとは

セリフは「台詞」「科白」とも書き、小説をはじめ、創作物の中のキャラクターが話す言葉です。一般的には小説などの文章中ではカギカッコ、漫画では吹き出しで表現されます。※例外もあります。
ちなみに「科白」の方はキャラクターの仕草などが含まれることもあります。

セリフの役割と基本

ではセリフの役割とは何でしょうか。セリフはキャラクターが話す言葉が、登場人物である以上、小説のストーリーの上に乗っています。
つまり、セリフも小説の一部としての重要な役割があるのです。
フライターク著『劇作法』の中にはセリフの役割を以下の3つとしています。

  1. 事実を表すもの
  2. キャラクターの心理や感情を表す
  3. ストーリーを進める

『シナリオの書き方』柏田 道夫著より

実はそれほど目新しいものではないと思われるかもしれません。それほど、良いセリフはすんなりと読者の中に入ってくるものなのです。

では次に実際の書き方を紹介していきます。

セリフをうまく書くためには

ではセリフをうまく書くためにも、一度失敗の例を挙げて見ましょう。

よくある失敗や悩みの例の代表として3つを取り上げます。

  1. 説明的になりすぎ、長くなる
  2. 〇〇が「~~」と言った、とつい書いてしまう
  3. 薄っぺらくリアリティがない

1.説明的になりすぎ、長くなる

人物に状況の説明をさせようとしてセリフが長くなることは良くあります。

状況の説明をする時、セリフだけでなく地の文も活用しましょう。

【例】

▼修正前
「ああ……こんな急な坂道を今から上るなんてげんなりする」

▼修正後
「ああ……げんなりする」
彼は急な坂道を見上げて呟いた。

地の文にも状況を説明する役割があります。うまく分割すれば間延びするのを防ぐことができます。

また地の文に組み込むのも一つの手法です。

上の例で書くと下のようになります。

ああ、げんなりする、と彼は急な坂道を見上げて呟いた。

〇〇が「~~」と言った、とつい書いてしまう

小説はドラマや漫画と違い、誰がどのセリフを話しているか明確にはわかりません。読者のためにもつい書いてしまう、という人も多いのではないでしょうか。

その時々の文脈で、わざわざ名前を書かなくても理解してもらえるのが理想です。そんな時は行動と一緒に地の文で展開してみましょう。

【例】

▼修正前
「あっちへ行こうよ」

彼女は言った。そして僕の手を引っ張った。

「待ってよ、まだここにいたいんだ」

僕はそう言って不機嫌になる。

▼修正後

「あっちへ行こうよ」

彼女は僕の手を引っ張った。

「待ってよ、まだここにいたいんだ」

僕は不機嫌になる。

「言う(言った)」という言葉を取るだけで文章がスリムになります。そして、動作と一緒にまとめることで、何となく躍動感が出たのではないでしょうか。

薄っぺらくリアリティがない

セリフは地の文と違い詳細に語れば語るほど白々しく感じてしまうことがあります。

特にクライマックスのシーンで、激情にかられているキャラクターが自分の心情を淡々と語り出したらちょっと怖いですよね。

激怒したり、深い悲しみや、ひどいショックに襲われた人間は意外に声が出せなかったりします。

そういう時は三点リーダー「……」や感嘆符「!!」などで表現してもいいでしょう。合わせて地の文でキャラクターの表情や息遣い、歩き方や手振りなどで感情の大きさを表現するとメリハリがつきます。

また、リアリティがない理由がもう一つあるなら、調査不足の可能性があります。キャラクターとセリフがちぐはぐな感じがする場合、それが原因かもしれません。

そのキャラクターがどんな人生を歩いてきたのか調べてみるとたくさんセリフのヒントが見つかります。例えば、キャラクターの生まれ育った地域やや通っていた学校や会社・職業によっても全く違う人生になります。一人っ子かもしれないし、大家族かもしれない。お金持ちなのか、あるいは明日食べられるかどうかわからない、という状況なのもかもしれません。

つまり、生き方が変わるとセリフ(話す内容)も変わり、話し方も変わってきます。

小ネタとしては、業界用語や専門用語などをセリフに盛り込むのもリアリティの裏付けになります。

また方言も取り入れてみると面白いかもしれません。土地にまつわる話を方言で説明するととてもリアリティが増します。

 

これらを改善することで「良いセリフ」に近づくヒントになるかもしれません。

セリフをワンランクアップする

良いセリフ回しはストレスなく読めることも多く、読んでいて気持ちが良いものです。素晴らしい映画やドラマでも良いセリフは印象に残っていたりするものです。

良いセリフとは、悪いセリフとは何かを詳しく解説してくれる書籍を紹介します。

「記憶に残るキャラクターの作り方」リンダ・シーガー著

▼目次(クリックで拡大)

今回、フィルムアート社さんから献本いただきました。

この本はキャラクターの作り方に関するノウハウが紹介されています。概要からケーススタディ、クエスチョン(課題)など、ロジカル&実戦的な内容になっています。また、名作映画などを題材に解説されているのでとても分かりやすいです。

その中で第7章でセリフの基本的な考え方が紹介されています。

優れたセリフとは人物の葛藤や感情や対立が反映されているもの、ということですが、さらにセリフのもう一つ大切な要素として「サブテキスト」を紹介しています。

サブテキストとは耳慣れない言葉ですがどのようなものでしょうか。

下記引用で紹介します。

サブテキストとはキャラクターが本当に言わんとしている、行間の意味です。それをキャラクター自身が理解していないことが大半です。遠回しな表現をしたり、思っていることと違うことを言ったりします。サブテキストは潜在的なもので、人物自身ははっきりと意識していませんが、観客や読者には伝わります。
「記憶に残るキャラクターの作り方」【第7章 セリフを執筆する】より

「行間を読む」や「含みがある言葉」などは聞いたことがあると思います。物語やセリフの真意が読者に伝わると、非常に印象深いシーンやセリフになります。

セリフを通してキャラクターの心情(行間の意味)の理解を促すことで、読者を物語に引き込むことができる、ということなのかもしれません。

もちろんこれらはすぐに書けるものではなく、調査やストーリーの検討、キャラクターの深堀や理解などを通して実現できるものだと感じました。

いくつかの手法は本書「記憶に残るキャラクターの作り方」の中で解説されていますので、興味がある方は是非読んでみてください。

特に【第4章 キャラクターの心理を理解する】は二次創作される方には特におすすめしたい内容です。

▶「記憶に残るキャラクターの作り方」(amazonリンク)
リンダ・シーガー著 シカ・マッケンジー訳/フィルムアート社

 

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